2016年6月7日火曜日

【読書メモ】『ハクティビズムとは何か ハッカーと社会運動』 塚越 健司 (著)  ★★★★

ハクティビズムの語源のハックの起こりから書かれているような本。
いい意味でわかりやすい一般向け書籍。

ウィキリークスが2010年に米軍の機密文書約40万点を暴露するという事があり、
それを受けて2012年に書かれた本ではある。
しかし、それだけの本と捉えるのは勿体無い。

一章まるまる30pageをつかって「コンピューターとハッカーの登場」から解説してたり、
ウィキリークスや、アノニマス、2chの吉野家オフにまで振れるなど、
かなり幅広く、しかも流れをふまえて解説している。

それを200ページちょいの新書にまとめているところも評価してよいと思う。
あまり知らない状態から、一般教養的な知識を入れるのに、良い本だと思う。

個人的メモ
アレクサンドラ・サミュエルはハクティビズムの活動内容を三つに区分
①ポリティカルコーディング(political coding)
②ポリティカルクラッキング(political cracking)
③パフォーマティブハクティビズム(performative hacktivism)

目次
序章
ハッカー集団が日本を攻撃?/ハッカーと創造性/ハッカーと政治/注目を集めるハ
クティビズム/アノニマスと直接的ハック/市民的不服従/本書の構成/本書を読む
にあたって
第一章 コンピュータとハッカーの登場
ハッカーとは何者か?/ハッカーの誕生/MITテック鉄道模型クラブ/ハックにつ
いて/ハッカー倫理の形成/コンピュータへの情熱/アーパネット/アメリカ西海岸
の個性/カウンターカルチャーとその影響/フロンティアスピリット/七○年代ハツ
力ーとパソコンの誕生
第二章 ハッカーと権力の衝突
情報の秘匿と暗号化/国家安全保障局/公開鍵暗号方式の登場/暗号ビジネスと口ー
タス・ノーツ/暗号技術をネットに放流/PGP暗号/フリーソフトウエア財団/
電子フロンティア財団/サイファーパンク/ハクティビズムの誕生/サイバースペー
ス独立宣言/自律と自由/コップの中の嵐か?─カリフォルニアン・イデオロギ
ー/コップの中の嵐を越えて/ハックの進化
第三章 創造性とウィキリークス
インターネットとパソコンの普及/サイバー犯罪者、現る/サイバースペースの自治
から現実の社会改革へ/ハクティビズムの定義/政策無効化とは何か/DeCSSが
与えた衝撃/ソニー・ベータマックス事件/ウィニーと政策無効化/ハクティビズモ
/ウィキリークスの登場/情報源秘匿、リークと倫理/ウイキリークスの活動/既存
メディアとの提携/ウィキリークスの現在/リークサイトの勃興/ウイキリークスと
ハクティビズム/ハクテイビズムの三分類
第四章仮面の集団アノニマス
アノニマスとハクティビズム/アノニマスとガイ・フォークスの仮面/DDoS攻撃
という手法/チャットによる作戦会議/仮面による大義の集約/ゲーミフィケーショ
ン/スラックティビズム/大衆動員とハクティビズム/非ハッカーの参加─繋がり
の社会性/スマートモブズ/クラウド化する社会運動/オキュパイ・ウォールストリ
ート/日本とアノニマス/アノニマスが渋谷で掃除!?/ハクティビズムの新しいかたち
第五章ハクティビズムはどこに向かうのか
DDOS攻撃の破壊力/違法行為への偏向?/アノニマスとボリテイカルクラッキン
グ/市民的不服従とは何か/市民的不服従の理論とその問題/電子市民的不服従/ア
ノニマスと市民的不服従/時代精神としてのアノニマス/アノニマスは市民的不服従
として成立するか
DDOS攻撃の破壊力/違法行為への偏向?/アノニマスとボリテイカルクラッキン
グ/市民的不服従とは何か/市民的不服従の理論とその問題/電子市民的不服従/ア
ノニマスと市民的不服従/時代精神としてのアノニマス/アノニマスは市民的不服従
として成立するか
終章
サイバー戦争/サイバーテロリズム/サイバー犯罪市場は麻薬市場を上回る/ハクテ
イビズムはどこへ行く
あとがき
主要参考文献


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